京都大学大学院医学研究科 血液・腫瘍内科学

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アグレッシブATL前向きコホート研究

医の倫理委員会承認番号(承認日) R0447 (2016年2月24日承認)
研究責任者 髙折 晃史
研究期間 2016年2月24日より2018年12月31日まで
研究目的 成人T細胞白血病リンパ腫(以下ATL)の8割を占める急性型・リンパ腫型ATL(アグレッシブATL)は化学療法のみでは予後不良であり、治癒を目指した同種造血幹細胞移植が導入されているが、その位置付けは浸透していない。そこで本研究では、移植適応となる70歳以下の進行期ATL患者を前向きに登録し、ATL診療の全体像を把握するとともに、診断後6か月以内に同種移植を施行することを推奨し、積極的に同種造血幹細胞移植を施行する本研究と既報の治療成績とを比較検討する。
研究概要 本研究は多施設共同の前方視的コホート研究である。ATLは希少疾患(本研究で対象とする症例数は全国で年間400名程度と推測)であり、さらに高齢者が多く、感染症などの合併症も多いため、移植前処置やドナー・幹細胞源の選択、移植タイミングなどを統一した大規模な前向き介入試験を行うことは非常に困難である。そこで本研究では、より早期に同種移植を目指すコンセプトで患者登録を促進するために前方視的コホート研究とし、まずはATL診療の全体像を把握することに主眼をおいた。
倫理面での配慮
個人情報保護の方針
本研究は、世界医師会によるヘルシンキ宣言ならびに、人を対象とする医学系研究に関する倫理指針を遵守して行います。説明文書を用いて、研究の説明を行い、同意を得てから開始します。 ご提供いただいた試料は、研究用のコード番号で管理し、ご提供いただいた方の個人情報が研究利用の段階で漏えいすることがないよう管理します。また、研究協力を辞退されても診療上の不利益を被ることはありません。
結果の公表について この研究によって成果が得られた場合は、国内外の学術集会・学術雑誌などで公表します。その際にも、ご提供者の個人情報が明らかになることはありません。
研究組織・共同研究機関 この研究は、主に国立がん研究センター中央病院 造血幹細胞移植科が研究を推進して行い、共同研究機関として京都大学医学部附属病院 血液・腫瘍内科が参加します。本研究に企業は関与しておりません。
研究組織と本研究の問い合わせ先 1)全体の研究代表医師
福田 隆浩 国立がん研究センター中央病院 造血幹細胞移植科 科長

2)当院の研究分担医師
近藤 忠一 京都大学大学院医学研究科 血液・腫瘍内科学 講師
E-mail: hemato@kuhp.kyoto-u.ac.jp
TEL: 075-751-3152

3)病院の窓口
京都大学医学部附属病院 総務課 研究推進掛
E-mail: trans@kuhp.kyoto-u.ac.jp
TEL:075-751-4899
研究参加辞退のお申し出先 研究者における窓口:
京都大学医学部附属病院 血液・腫瘍内科 近藤忠一
E-mail: hemato@kuhp.kyoto-u.ac.jp
TEL: 075-751-3152

病院の窓口:
京都大学医学部附属病院 総務課 研究推進掛
Email: trans@kuhp.kyoto-u.ac.jp
TEL: 075-751-4899
研究者から一言 本研究でアグレッシブATL と診断された全症例を前向きに登録してフォローすることにより、移植を行わなかった場合も含めた現行治療の実態を把握することが可能となる。またHLA検査や移植ドナー検索を診断後早期に開始することにより、治癒が期待できる同種移植をより早期に受ける症例が増加することが期待される。
本研究の結果をもとに、同種移植をATL診療にどのように組み込むかべきかを検討することは、ATLの治療成績の向上に寄与すると考える。さらに本研究参加施設での症例登録数の推移や治療成績を確認することで、同種移植の有効性を検証するための前向き介入試験を設計する際の重要な資料になると考える。ひいては化学療法や抗体療法ではATLの治癒が期待できないATL患者に対して最適なタイミングで安全性の高い同種移植を行えるようなシステムの構築につながり、アグレッシブATLの長期予後を短期間で向上することに寄与すると考えられる。
関連する研究番号と課題名 G1010: アグレッシブATL前向きコホート研究、附随研究/検体バンキング