京都大学大学院医学研究科 血液・腫瘍内科学

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沿革

沿革 歴史

 

血液・腫瘍内科学講座は、京都帝国大学に医科大学医学科が創設された明治32年(1899年)に内科学第一講座として設置され、既に百余年の経過した歴史ある教室です。

これまでに様々な領域の疾患の診療と研究に携わり、我が国の内科学の発展に貢献してまいりました。第5代脇坂行一教授の代より、血液学の研究を展開し、第6代内野治人教授の代より、血液病学と消化器病学を教室における活動の中心としておりました。

大学院は、大学院重点化によって平成7年4月より医学部内科学第一講座から大学院医学研究科臨床器官病態学講座血液病態学へ改編され、さらに平成14年10月より現在の血液・腫瘍内科学と改称されました。一方、病院における診療体制は、平成14年7月より内科の専門診療科として血液・腫瘍内科が設置され、現在の体制となり、血液疾患を中心とした臨床、研究、教育活動を行っています。この間、平成6年6月に大学院に消化器病態学講座(現在の消化器内科学)が独立して設置され、病院においては平成8年4月に消化器内科が設置されております。

これまでの主な研究成果は下記の通りですが、特に血液内科学の分野においては、ビタミンB12の代謝と巨赤芽球性貧血の病態生理、造血器腫瘍の病態解析と治療、特に化学療法と抗腫瘍剤の作用機序、造血幹細胞・血球の分化と増殖、再生不良性貧血・骨髄異形成症候群の病態と治療、悪性リンパ腫の染色体解析、骨髄腫の病態・治療、顆粒球の機能と活性化機構、血小板機能の生化学的解析とその異常症の解明、リンパ球の増殖・分化・発癌機構、成人T細胞白血病の発見と病態の解明、などで国際的レベルの業績があります。近年では、造血幹細胞移植術並びに免疫療法の研究や診療の発展に寄与してまいりました。

血液内科学は、従来より研究の成果と診療が結びつきやすい分野でありましたが、近年の分子標的薬や抗体療法の成功によって、血液内科学分野でのtranslational researchの充実とそれを実践するための診療体制の整備が益々重要となっています。このたび高折晃史教授が就任し教室を主催していくことになりましたが、造血器悪性疾患の患者さんに還元できるような研究や治療法の開発を実践するため、教室員一丸となって取り組んで行きたいと考えています。

歴代教授

期間 教授氏名 専攻分野
明治32年9月〜大正2年1月 笠原光興 肝硬変症、血液病
大正2年2月〜大正5年9月 佐々木隆 蛋白質学、実験内科学
大正6年6月〜昭和14年9月 辻寛治 気管支喘息、内分泌学
昭和14年12月〜昭和32年7月 井上硬 消化器病学、栄養・ビタミン学
昭和32年10月〜昭和50年3月 脇坂行一 肝臓・消化管、甲状腺、葉酸・ビタミン、血液学
昭和50年10月〜平成元年3月 内野治人
平成2年1月〜平成9年3月 大熊稔
平成10年4月〜平成21年3月 内山卓
平成22年7月〜 高折晃史