臍帯血移植におけるKIRリガンド不適合が免疫動態に与える影響とHHV-6脳炎発症との関連について
医の倫理委員会承認番号(承認日) | R1014(2017年 3月 1日承認) |
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研究責任者 | 近藤 忠一 |
研究期間 | 2017年3月1日〜2020年2月29日(3年間) |
研究目的 | 臍帯血移植は、他の同種骨髄移植と比較し、生着まで時間を要することもあり、感染症の合併頻度が高い。 中でもHHV-6脳炎は特に臍帯血移植で頻度が高く、一旦発症すると治療しても予後不良である。 このため発症因子がいくつか報告されているが、まだ不十分な状況である。 そこで、当院における臍帯血移植後の免疫動態を、KIRリガンド不適合の観点から後方視的に検討し、HHV-6脳炎発症因子の同定につなげることを目的として本研究を計画した。 |
研究概要 |
当院にて2005年1月から2017 年3月までに、造血器疾患に対して臍帯血移植を施行され、TRUMP(日本造血細胞移植学会一元化登録事業)データベースに組み込まれた移植時16歳以上の患者を対象とする。 HHV-6脳炎の発症機序は不明であるが、緒方らはHHV-6脳炎発症の約1週間前に血漿IL-6レベルが一過性に急上昇することを見いだしている。 高レベルのHHV-6再活性化とともに炎症性サイトカインがHHV-6脳炎の発症に重要な役割を果たしていると考えられ、 免疫機能の回復が脳炎発症と関連している可能性がある。 本研究では、HLA不適合移植がHHV-6脳炎のリスク因子であることから、免疫に関係するKIRリガンド不適合に注目した。 NK細胞受容体に対するリガンドとなる一部の白血球抗原HLAはKIR(killer-cell immunoglobulin-like receptor)リガンドと呼ばれ、 KIRリガンド不適合がある場合、NK細胞の同種免疫応答が起こり得る。 今回、KIRリガンド不適合によるドナー免疫の回復を追うことで、HHV-6脳炎発症の予測、あるいはHHV-6脳炎の病態解明に繋がるのではないかと考え、本研究を立案した。 |
倫理面での配慮 個人情報保護の方針 |
この研究は、人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(厚生労働省)を守って行います。 あなたにお答えいただいた内容は、連結可能匿名化という方法を用いて匿名化します。連結可能匿名化とは、お答えいただいた内容に識別番号をつけて匿名化しますが、個人が特定できる情報(氏名やカルテ番号)と識別番号の対応表を鍵のかかる場所に保管する方法です。また、研究協力を辞退されても診療上の不利益を被ることはありません。また、研究の目的に関して、京都大学医学部附属病院血液・腫瘍内科のホームページで情報公開を行います。 |
結果の公表について | この研究によって成果が得られた場合は、国内外の学術集会・学術雑誌などで公表します。その際にも、ご提供者の個人情報が明らかになることはありません。 |
研究組織・共同研究機関 | 研究の主たる責任者及び連絡先は、京都大学医学部附属病院 血液・腫瘍内科 近藤忠一、電話番号075-751-3152です。企業や特定の営利団体からの資金提供や薬剤等の無償提供などは受けておりません。 |
研究組織と本研究の問い合わせ先 |
研究責任医師: (所属・職名) : 京都大学附属病院 血液腫瘍内科講師 (氏名) : 近藤 忠一 電話番号 : 075-751-3152 臨床研究相談窓口 京都大学医学部附属病院 総務課 研究推進掛 電話番号 : 075-751-4899 メールアドレス :trans@kuhp.kyoto-u.ac.jp |
研究参加辞退のお申し出先 |
研究責任医師: (所属・職名) : 京都大学附属病院 血液腫瘍内科講師 (氏名) : 近藤 忠一 電話番号 : 075-751-3152 |
研究者から一言 | 本研究を通じて、HHV-6脳炎の発症予測が可能となり、臍帯血移植の予後改善に繋がることを期待する。 |
関連する研究番号と課題名 | 特になし |
患者さんへのお知らせ | こちらをご覧ください |