非寛解期急性骨髄性白血病(AML)患者の移植後予後を予測するノモグラムの作成とその検証
医の倫理委員会承認番号(承認日) | R0765(2016 年 9月 8日承認) |
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研究責任者 | 近藤忠一 |
研究期間 | 2016年9月8日より2019年9月7日まで |
研究目的 | 非寛解期急性骨髄性白血病に対する造血幹細胞移植の5年全生存率は約20%と厳しいものである。しかしながら、その予後を規定する因子に関して十分なエビデンスが確立されているとは言えない。本研究では、日本造血細胞移植学会の一元化登録事業データベースを用いて多施設の多症例のデータを後方視的に解析し、上記移植の予後を規定する因子の同定を行い、今後の臨床に活用するための予後予測モデルの構築とその検証を行う。 |
研究概要 | 非寛解期急性骨髄性白血病(AML)に対する造血幹細胞移植の5年全生存率は約20%と非常に厳しいものである。これまでの非寛解期AMLに対する造血幹細胞移植についての予後因子の解析としては少数例の報告がほとんどである。唯一、多数例の解析の結果では、寛解から再発までの期間、末梢血中の芽球の存在、(ヒト白血球抗原)HLA適合度、Karnofsky Score、cytogeneticsが予後因子となり、3年生存率をある程度層別化できることを報告している。しかしながら、我が国で多く行われている臍帯血移植のデータを含んでおらず、前処置についてReduced Intensity Condition(RIC)レジメンや、腫瘍の性質を反映し予後に影響すると考えられるFAB分類やWHO分類も交絡因子として考慮されていない。また、移植医療における支持療法が年々改善している中、解析データが1995年から2004年とやや古いデータでの解析となっており、近年のデータを含めた再検討が必要である。本研究では移植日が2000年から2014年までの日本全国の多施設、多症例のデータを用い、臍帯血移植、FAB分類、RICレジメンといった以前の報告では解析されなかった因子も含めて包括的に解析を行う。 近年、胃癌、非小細胞肺癌、乳癌、肉腫等様々ながんの予後を患者個々に合わせて予測するツールとして、ノモグラムが注目されている。今回我々は非寛解期AMLの患者個々に適した予後を予測するノモグラムを作成する予定である。予後因子の見直しと日本のコホートデータを使用して解析することでより正確に日本の非寛解期AML患者における造血幹細胞移植の予後予測を可能にするとともに、移植前の条件をよりリスクの低い条件に設定し、移植の成績向上に寄与することが期待できる。また、患者や家族への説明においてより詳細な予後を事前に提示し、移植を施行するか否かの判断材料とすることができる。 |
倫理面での配慮 個人情報保護の方針 |
この研究は、人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(厚生労働省)を守って行います。 あなたにお答えいただいた内容は、連結可能匿名化という方法を用いて匿名化します。連結可能匿名化とは、お答えいただいた内容に識別番号をつけて匿名化しますが、個人が特定できる情報(氏名やカルテ番号)と識別番号の対応表を鍵のかかる場所に保管する方法です。また、研究協力を辞退されても診療上の不利益を被ることはありません。また、研究の目的に関して、京都大学医学部附属病院血液・腫瘍内科のホームページで情報公開を行います。 |
結果の公表について | この研究によって成果が得られた場合は、国内外の学術集会・学術雑誌などで公表します。その際にも、ご提供者の個人情報が明らかになることはありません。 |
研究組織・共同研究機関 | この研究は、京都大学医学部附属病院血液・腫瘍内科にて行う研究であり研究の責任者は、京都大学医学部附属病院血液・腫瘍内科講師 近藤忠一です。共同研究者は同大学院生 平林茂樹、京都大学大学院医学研究科 医学統計生物情報学 教授森田智視、同助教魚住龍史、米国国立衛生研究所 博士研究員新井康之、東京慈恵会医科大学 血液・腫瘍内科 講師矢野真吾です。企業や特定の営利団体からの資金提供や薬剤等の無償提供などは受けておりません。 |
研究組織と本研究の問い合わせ先 | 研究責任医師: 京都大学医学部附属病院 血液・腫瘍内科 講師 近藤 忠一 電話番号: 075-751-3152 臨床研究相談窓口: 京都大学医学部附属病院 総務課 研究推進掛 電話番号: 075-751-4899 メールアドレス: trans@kuhp.kyoto-u.ac.jp |
研究参加辞退のお申し出先 | 研究責任医師: 京都大学医学部附属病院 血液・腫瘍内科 講師 近藤 忠一 電話番号: 075-751-3152 |
研究者から一言 | 今回、多数の移植症例が体系的にまとまったTRUMP データを用い、非寛解期AML患者における造血幹細胞移植の予後予測を可能にするとともに、移植を施行すべきか否かの判断材料になると思われる。 |
本研究の問い合わせ先 | 研究責任医師: 京都大学医学部附属病院 血液・腫瘍内科 講師 近藤 忠一 電話番号: 075-751-3152 臨床研究相談窓口: 京都大学医学部附属病院 総務課 研究推進掛 電話番号: 075-751-4899 メールアドレス: trans@kuhp.kyoto-u.ac.jp |