急性白血病化学療法施行時における防護環境の臨床的意義:Laminar air flow室の糸状菌感染予防に対する意義の検討
医の倫理委員会承認番号(承認日) | R0760(2016 年 8月 30日承認) |
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研究責任者 | 近藤忠一 |
研究期間 | 2016年8月30日より2018年8月29日まで |
研究目的 | 造血器悪性腫瘍に対する化学療法後の好中球減少期間において、過去の記述研究でlamina air flow(LAF)室への入室は糸状菌感染症を減少させることが報告されており、日常診療においても一般的に行なわれている。しかし、長期に使用された後のLAF室が、好中球減少患者の防護環境として適切であるかどうかは、十分に検討されていない。急性白血病に対する化学療法における糸状菌感染症の発症率をLAF室入室の有無で比較することで、LAF室入室の意義を検討する。 |
研究概要 | 造血器悪性腫瘍に対する化学療法後の好中球減少期間において、過去の記述研究で、lamina air flow(LAF)室への入室は真菌感染症である糸状菌感染症を減少させることが報告されている 。上記報告から、実際、日常診療においても、特に急性白血病に対する化学療法や造血幹細胞移植等の長期に好中球減少の遷延が予想される治療においては、LAF室への入室を行うことが一般的となっている。しかし、LAF室建設後の時期による防護環境としての意義、特に長期に使用された後のLAF室が、好中球減少患者の防護環境として適切であるかどうかに関しては、十分な検討がなされていない。また、施設の建設工事期間中には糸状菌感染症が増加することも報告されている。建設後の時期による糸状菌感染症の発症率を比較することで、LAF室入室の意義を検討する。本研究では、当院において、急性白血病に対して一連の寛解導入療法・地固め療法・救援療法施行時の真菌感染症(European Organization for Research and Treatment of Cancer/ Invasive Fungal Infections Cooperative Group and the National Institute of Allergy and Infectious Diseases Mycoses Study Group(EORTC/MSG)診断基準2008年改訂版に準じproven, probable, possibleの症例)に関して、LAF室建設以前?新病棟建設中(2008年6月?2010年2月)、LAF室建設後のそれぞれの時期での発症率の比較検討を行う。 |
倫理面での配慮 個人情報保護の方針 |
この研究は、人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(厚生労働省)を守って行います。 あなたにお答えいただいた内容は、連結可能匿名化という方法を用いて匿名化します。連結可能匿名化とは、お答えいただいた内容に識別番号をつけて匿名化しますが、個人が特定できる情報(氏名やカルテ番号)と識別番号の対応表を鍵のかかる場所に保管する方法です。また、研究協力を辞退されても診療上の不利益を被ることはありません。また、研究の目的に関して、京都大学医学部附属病院血液・腫瘍内科のホームページで情報公開を行います。 |
結果の公表について | この研究によって成果が得られた場合は、国内外の学術集会・学術雑誌などで公表します。その際にも、ご提供者の個人情報が明らかになることはありません。 |
研究組織・共同研究機関 | この研究は、京都大学医学部附属病院血液・腫瘍内科が研究を推進します。企業や特定の営利団体からの資金提供や薬剤等の無償提供などは受けておりません。 |
研究組織と本研究の問い合わせ先 | 研究責任医師: 京都大学附属病院 血液腫瘍内科講師: 近藤 忠一 電話番号 : 075-751-3152 研究協力者: 諫田淳也 京都大学大学院 血液・腫瘍内科学 特定病院助教 岩﨑惇 京都大学大学院 血液・腫瘍内科学 大学院生 臨床研究相談窓口 京都大学医学部附属病院 総務課 研究推進掛 電話番号 : 075-751-4899 メールアドレス :trans@kuhp.kyoto-u.ac.jp |
研究参加辞退のお申し出先 | 研究責任医師: 京都大学附属病院 血液腫瘍内科講師: 近藤 忠一 電話番号 : 075-751-3152 |
研究者から一言 | LAFが糸状菌感染の予防を確実にするという絶対的神話が信じられてきたが、そのエビデンスは十分ではない。本研究により検証を行う。 |
本研究の問い合わせ先 | 研究責任医師: 京都大学医学部附属病院 血液・腫瘍内科 講師 近藤 忠一 電話番号: 075-751-3152 臨床研究相談窓口: 京都大学医学部附属病院 総務課 研究推進掛 電話番号: 075-751-4899 メールアドレス: trans@kuhp.kyoto-u.ac.jp |