京都大学大学院医学研究科 血液・腫瘍内科学

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造血幹細胞移植患者の移植前後の身体機能の特徴

医の倫理委員会承認番号(承認日) R0715(2016年9月14日承認)
研究責任者 松田秀一
研究期間 2016年9月14日から2019年9月13日まで(3年間)
研究計画の改定と医の倫理委員会承認時期 改定なし
研究目的 造血幹細胞移植は白血病や悪性リンパ腫などの造血器腫瘍に対する確立した治療として良好な成果を挙げている。 しかしながら、造血幹細胞移植の治療過程において、前処置に利用される超大量化学療法や全身放射線照射、 移植後の無菌室管理での活動範囲の制限、移植後合併症(感染症・移植片対宿主病など)により身体活動量が制限されることが少なくない。 特に無菌室管理期間においては、廃用性症候群を呈するリスクが高いことが報告されており、 そのリスクの低減には造血幹細胞移植後早期からの介入が重要となっている。
しかし、造血幹細胞移植患者の身体機能に関して、移植前の状態、移植後の変化、 また、移植前や移植後早期からのリハビリテーション介入がどのような影響を与えるかについての報告は少ない。 造血幹細胞移植患者に最適なリハビリプログラムを構築するために、まずは患者の全体像を把握する必要がある。
本研究は、移植前と移植後における身体組成、運動機能、健康関連QOLに加えて、医学データ(生化学データなど)を比較することにより、 造血幹細胞移植患者の特徴を定量的に把握する。それにより造血幹細胞移植領域における今後のリハビリテーション介入を最適化することが期待される。
研究概要 2010年6月〜2016年6月の期間に京都大学医学部附属病院にて造血幹細胞移植を施行され、データベースに登録された136例のうち、データ欠損のない55例を対象とする。 身体機能のデータベース入力は診療上実施している。
データベースから、基本情報(性別、年齢、身長、体重、BMI)、 医学情報(原疾患の状態、移植方法、前処置種類、移植日、生着日、再発の有無、在院日数、生存状態)、 治療関連合併症(感染症、移植片対宿主病など)、 検体データ(Hb、CRP、Plt、Alb、TPなど)、 生理学データ(呼吸機能、心機能、体組成)、 身体機能(握力、筋力、運動耐容能、活動量など)、 質問票(EORTC-QLQ-C30、Brief Fatigue Inventory)を抽出する。

解析の概要は、
1)主要評価項目
造血幹細胞移植前後の身体機能

2)副次評価項目
移植ソース別における身体機能の特徴
身体機能の変化に影響を及ぼす因子

3)主な解析方法
身体機能の数的指標の平均値を算出し、移植前後の差を統計学的に検定する。また、身体機能の差にどの調査項目が大きな要因となっているかについて回帰分析を用いて明らかにする。
倫理面での配慮
個人情報保護の方針
この研究は、人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(厚生労働省)を守って行います。あなたにお答えいただいた内容は、連結可能匿名化という方法を用いて匿名化します。連結可能匿名化とは、お答えいただいた内容に識別番号をつけて匿名化しますが、個人が特定できる情報(氏名やカルテ番号)と識別番号の対応表を鍵のかかる場所に保管する方法です。また、研究協力を辞退されても診療上の不利益を被ることはありません。また、研究の目的に関して、京都大学医学部附属病院血液・腫瘍内科のホームページで情報公開を行います。
結果の公表について この研究によって成果が得られた場合は、国内外の学術集会・学術雑誌などで公表します。その際にも、ご提供者の個人情報が明らかになることはありません。
研究組織・共同研究機関 研究の主たる責任者は、京都大学医学部附属病院 整形外科/リハビリテーション部教授 松田秀一で、研究の実施者、連絡先はリハビリテーション部 理学療法士 濱田涼太、電話番号075-366-7728です。研究分担者は血液・腫瘍内科 近藤忠一です。企業や特定の営利団体からの資金提供や薬剤等の無償提供などは受けておりません
研究組織と本研究の問い合わせ先 研究分担医師:
(所属・職名): 京都大学附属病院 血液・腫瘍内科 講師
(氏名): 近藤 忠一
電話番号: 075-751-3152

臨床研究相談窓口
京都大学医学部附属病院 総務課 研究推進掛
電話番号: 075-751-4899
メールアドレス:trans@kuhp.kyoto-u.ac.jp
研究参加辞退のお申し出先 研究分担医師
(所属・職名): 京都大学附属病院 血液・腫瘍内科 講師
(氏名): 近藤 忠一
電話番号: 075-751-3152
研究者から一言 本研究を通じて、造血幹細胞移植におけるリハビリテーションの最適なプログラミングが得られ、移植成績の向上に貢献できることを期待する。
関連する研究番号と課題名 特になし
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