非血縁者間骨髄・末梢血幹細胞移植における検体保存事業
医の倫理委員会承認番号(承認日) | G1026(2016年5月24日承認) |
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研究責任者 | 髙折 晃史 |
研究期間 | 2016年5月24日より2021年5月23日まで(5年間) |
研究目的 | 非血縁者間骨髄・末梢血幹細胞移植における検体保存事業(以下「本事業」)は、公益財団法人日本骨髄バンク(以下「日本骨髄バンク」)にて、平成7年4月から造血幹細胞移植成績の向上を目的として自主的に開始された。 保管検体を用いた研究により、非血縁者間造血幹細胞移植における組織適合度の重要性の解明や骨髄バンクドナー登録時のHLA-C座の検査実施の開始に繋がるなど、移植成績の向上に大きく貢献してきた。平成23年度には、検体保存事業が国庫補助の対象事業となり、公にその必要性が認められるに至った。 平成27年3月、厚生労働省通知「検体保存事業の実施について(依頼)」(平成27年3月27日健移発0327号)により、本事業は平成27年4月から造血幹細胞提供支援機関(以下「支援機関」という。)の業務とされ、国内唯一の支援機関である日本赤十字社が日本骨髄バンクより引き継ぐこととなった。 本事業では、非血縁者間骨髄・末梢血幹細胞移植を予定している患者及び非血縁者間で骨髄・末梢血幹細胞の提供を予定あるいは既に提供したドナーのうち、検体保管について同意を得られた者(以下「検体提供者」という。)から採取した血液より得られる検体の保管、及び研究者への検体の分譲を実施する。 また、本事業により実施される研究には、ヒトゲノム・遺伝子解析研究を含む。 |
研究概要 | ・同意取得について 医療従事者は、日本骨髄バンクより送付された検体採取キットに同封された同意説明書及び同意書を用いて非血縁者間骨髄・末梢血幹細胞移植を予定している患者及びドナーへの同意説明及び同意取得を行う。なお、提供者が移植患者で、検体提供者本人による意思決定に支障がある場合には代諾者による同意取得も可能とする。その際には代諾者の署名を得る。同意書を2部作成し、1部は検体採取キットに同封された同意書送付用封筒を用いて速やかに日本赤十字社へ送付し、もう1部は同意撤回書(検体番号ラベル貼付済)と共に、検体提供者もしくは代諾者に控えとして渡す。 ・検体用血液採取について 検体採取施設の医療従事者は、上記により同意を得られた検体提供者より検体採取キットに同封された試験管(検体番号ラベル貼付済)を用い、検体用血液(2mL程度※)を採取する。 なお、検体用血液の採取は、通常の診療上、採血の必要が生じたときに同時に行うものとする。 同意を得られない場合には、検体採取キットは検体採取施設にて廃棄する。 ※患者の病態によって十分な白血球数を確保できない場合には、検体採取医療機関の裁量で、2mL以上の採血も可能とする。 ・検体用血液の送付について 検体採取施設の医療従事者は、検体採取キットの検体送付用伝票及び検体梱包用資材を用い、採取した検体用血液を入れた試験管(検体番号ラベル貼付済)を検体保管施設に送付する。 |
倫理面での配慮 個人情報保護の方針 |
この研究は、人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(厚生労働省)を守って行います。本事業への協力に必要な個人情報は、以下のとおりです。 (1)氏名 (2)移植または採取医療機関名 (3)連絡先(遺伝子解析結果の開示及び同意撤回を希望する場合のみ) いただいた個人情報及びその情報をもとに作成した文書・電子ファイル等は、施錠管理を行い、特定の者のみが取り扱う等、適切なアクセス管理を行います。また、保管期間を過ぎた後は、日本赤十字社が責任をもって廃棄します。研究に必要な移植情報は、一般社団法人 日本造血細胞移植データセンター(以下「データセンター」といいます。)が本事業とは別に移植実施医療機関より収集し、集計・解析等を行っており、研究者が必要とする場合はデータセンターの承認を得て使用します。 研究を行う際には、研究機関において検体と移植情報の両方を保有することになりますが、データセンターが管理する移植情報には個人が特定される情報は含まれません。 |
結果の公表について | 本事業の検体を用いて実施された研究は、過去の研究も含めて日本赤十字社が管理・運営するWebサイト「造血幹細胞移植情報サービス」(http://www.bmdc.jrc.or.jp/)にて研究課題名及び研究機関名が公開されます。 また、研究の結果は、研究機関のWebサイトだけでなく学会や学術雑誌等に公表される場合もありますが、個人情報が公表・公開されることはありません |
研究組織・共同研究機関 | 本事業の関係機関は以下のとおりです。 各機関は本事業の実施について、予めそれぞれの倫理審査委員会等の承認を得ています。 (1) 事業の実施主体 日本赤十字社 実施責任者:血液事業本部長 (2) 検体利用申請に係る審査・管理等 一般社団法人 日本造血細胞移植データセンター (3) 検体採取に係る医療機関との窓口 公益財団法人 日本骨髄バンク (4) 検体採取に係る同意取得及び採血 ア 非血縁者間骨髄・末梢血幹細胞採取医療機関 イ 非血縁者間骨髄・末梢血幹細胞移植医療機関 |
研究組織と本研究の問い合わせ先 |
本事業についてのお問い合わせは、以下のとおりです。 日本赤十字社 血液事業本部 造血幹細胞管理課 連絡先: 住所: 〒105-0011 東京都港区芝公園1-2-1 TEL: 03-3437-7205 FAX: 03-3437-7745 当院内の連絡先は次の通りです。 担当医:近藤 忠一(京都大学医学部附属病院 血液・腫瘍内科) 連絡先: 住所: 〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54 TEL: 075-751-3152 FAX: 075-751-3153 E-mail: hemato@kuhp.kyoto-u.ac.jp 病院の相談窓口:京都大学医学部附属病院 総務課 研究推進掛 連絡先: 住所: 〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54 TEL: 075-751-4899 E-mail: trans@kuhp.kyoto-u.ac.jp |
研究参加辞退のお申し出先 |
撤回する場合は、「『非血縁者間骨髄・末梢血幹細胞移植における検体保存事業』同意撤回書」に必要事項を記入・押印の上、「お問い合わせ窓口」に郵送してください。 「同意撤回書」は、以下のWebページからダウンロードできます。 「造血幹細胞移植情報サービス」検体提供者の方へ http://www.bmdc.jrc.or.jp/specimen/index.html なお、同意撤回書が受理され、保管検体と同意書が廃棄された場合でも、同意撤回書は移植日から10年間は日本赤十字社が保管します。 |
研究者から一言 |
本事業を元に行われた研究で、検体提供者の遺伝子を解析した結果、将来重大な疾患をもたらす可能性がある遺伝的特徴が発見された場合、日本赤十字社に連絡し、検体提供者の情報開示の希望の有無を照会します。 日本赤十字社は、本事業への参加の同意書に、開示希望の有無および連絡先について、あらかじめ確認を取ります。 日本赤十字社は検体提供者の開示希望に関する照会を受け、検体提供者が開示を希望している場合には、その連絡先を提供します。なお、当院における遺伝カウンセリングについては、京都大学医学部附属病院遺伝子診療部が担当します。 |
関連する研究番号と課題名 | G697: 造血器疾患における遺伝子異常・エピジェネティクス異常の網羅的解析研究 |