成人骨髄性血液悪性腫瘍に対する臍帯血移植におけるG-CSF priming 骨髄破壊的前治療の有効性に関するランダム化比較試験(G-CONCORD)
研究課題名 | 成人骨髄性血液悪性腫瘍に対する臍帯血移植におけるG-CSF priming 骨髄破壊的前治療の有効性に関するランダム化比較試験(G-CONCORD) |
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研究責任者 | 髙折晃史,近藤忠一 |
医の倫理委員会承認番号 (承認日) |
C1375(2018年3月29日承認) |
研究期間 | 2018年3月29日より2024年12月31日まで |
研究計画の改定と 医の倫理委員会承認時期 |
改定なし |
研究目的 | 16 歳以上 55 歳以下の比較的若年成人血液悪性腫瘍患者に対して G-CSF 併用あるいは G-CSF を 併用しないキロサイド(G-combined cytosine arabinoside,Ara-C)とエンドキサン(CY)と全身放射線照 射(TBI)を用いた移植前治療を用いて非血縁者間臍帯血移植を行い,G-CSF を前治療に併用するこ との有効性を検討する。 |
研究概要 | 本邦の後方視的研究において,急性骨髄性白血病でこれまで標準的とされてきた骨髄破壊的前治療法であるエンドキサン+全身放射線照射(CY+TBI)よりも,大量キロサイドを追加し,さらにその効果を高める目的でG-CSFを併用するG-CSF併用Ara-C+CY+TBIをUCBTの前治療として用いた方が有意に生着が早く,長期生存も良いことが報告された。骨髄性血液悪性腫瘍に対する臍帯血移植の問題点が,生着が遅いことおよびそれに関連する治療関連死亡であることから,今回,臍帯血移植の前治療としてG-combined-Ara-C/CY/TBIとCA/CY/TBIを比較しG-CSFを併用することによって良好な長期生存をもたらしうることを検証するため本研究を立案した。 本研究の対象は,骨髄性血液悪性腫瘍(急性骨髄性白血病(AML)および骨髄異形成症候群(MDS))であり,非血縁同種移植の適応であると考えられるにもかかわらず適切なドナーが得られない患者とする。 治療内容はG-CSF併用Ara-C (G-combined Ara-C; Ara-C 3 g/m2×4,12時間ごとに加えてG-CSFをAra-C開始の12時間前からAra-C終了後まで持続静注)+TBI 12 Gy + CY (60 mg/kg x 2 days): (G-combined Ara-C/CY/TBI)とG-CSFを併用しないAra-C/CY/TBIのいずれかを用いて前治療を行う。GVHD予防法,支持療法は従来通りの方法を用いる。主要評価項目は移植後2年での無病生存率とする。 |
倫理面での配慮 個人情報保護の方針 |
試験の実施については京都大学大学院医学研究科・医学部及び医学部附属病院医の倫理委員会で倫理的及び科学的な面から公正な目で審議され,承認を受け,病院長の許可を受けています。さらに,この研究は,人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(厚生労働省)を守って行います。患者等の登録及び症例報告書における患者等の特定は患者識別番号で行うとともに,試験成績の公 表においては,患者等の氏名,疾患等のプライバシー保護に十分配慮する。患者等の氏名なド第三 者が試験実施医療機関の職員やデータベースへの不正アクセスを介せずに直接認識できる情報が, 試験事務局のデータベースに登録されることはない。この試験に関与するすベての者は,個人情報漏 洩のリスクを踏まえた上で,個人情報保護のため最大限の努力を払う。 |
結果の公表について | この研究によって成果が得られた場合は,国内外の学術集会・学術雑誌などで公表します。その際にも,ご提供者の個人情報が明らかになることはありません。 |
研究組織・共同研究機関 | この研究は,主たる研究機関は,名古屋大学 血液内科であり,当科は共同研究施設として参加する。当科の研究の責任者は,京都大学医学部附属病院血液・腫瘍内科 近藤忠一です。本試験の実施に際して中外製薬株式会社から G-CSF の無償供与を受けるが,それ以外の特別な資 金・物品などの提供は受けていない。中外製薬株式会社は本試験の計画・実施に一切関与しない。 |
研究組織と 本研究の問い合わせ先 |
研究代表者 高橋 聡 東京大学医科学研究所 血液腫瘍内科 准教授 寺倉精太郎 名古屋大学 血液内科 助教 当院研究責任医師: (所属・職名): 京都大学附属病院 血液腫瘍内科講師 (氏名): 近藤 忠一 電話番号: 075-751-3152 臨床研究相談窓口 京都大学医学部附属病院 総務課 研究推進掛 電話番号: 075-751-4899 メールアドレス: trans@kuhp.kyoto-u.ac.jp |
研究参加辞退のお申し出先 | 研究責任医師: (所属・職名): 京都大学附属病院 血液内科講師 (氏名): 近藤 忠一 電話番号: 075-751-3152 |
研究者から一言 | G-CSF併用の前治療法の有効性が確認されれば,臍帯血の大きな課題である生着率の低さおよび生着遅延を克服し,同時に再発率の低減を実現することができる。現時点ではG-CSFは移植前治療における併用の保険適応はないが,有用性が確認されれば,保険承認の得られる可能性も出てくるものと考えられる。 |
関連する研究番号と課題名 | C1189 骨髄破壊的前処置による移植後シクロホスファミドを用いた 血縁者間HLA半合致移植の多施設共同第II相試験(JSCT研究会Haplo16MAC) |