京都大学大学院医学研究科 血液・腫瘍内科学

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成人T細胞白血病/リンパ腫に対する移植後シクロホスファミドを用いたHLA半合致移植の安全性・有効性検討試験

医の倫理委員会承認番号(承認日) C1182 (2016年7月5日承認)
研究責任者 高折 晃史,近藤 忠一
研究期間 2016年7月5日より2020年3月7日まで
研究目的 成人T細胞白血病/リンパ腫(以下,ATL)は難治性の造血器悪性疾患であり,治癒を目指して同種造血幹細胞移植が実施される。本研究では,HLA完全適合もしくは1座不適合のドナーがいないATL患者を対象に,骨髄非破壊的前処置および移植後シクロホスファミドによるGVHD予防法を用いてHLA半合致血縁ドナーからの同種移植(ハプロ移植)を行い,その安全性,有効性を確認する。
研究概要 同種造血幹細胞移植は難治性の造血器悪性疾患に対して有効な治療法であるが,適合ドナーの存在の有無により施行可能な患者が限定されることが問題である。近年,HLA半合致ドナーなどHLA適合度の低いドナーへのドナープール拡大が研究され,欧米ではGVHD予防法として移植後シクロホスファミドを用いることによりハプロ移植の良好な成績が示されている。日本でも移植後シクロホスファミド併用ハプロ移植の臨床試験が行われ,本治療法が徐々に確立されつつある。しかし,ATLに関しては本治療法を行った臨床試験はなく,治療成績の報告はない。本研究ではATLで同種移植の適応と考えられるにもかかわらずHLA完全適合もしくは1座不適合の血縁または非血縁ドナーがいないため従来は同種移植が施行できなかった患者を対象にして,移植後シクロホスファミドをGVHD予防法としてHLA半合致血縁ドナーから骨髄非破壊的前処置による移植を行い,その安全性および有効性を確認する。
倫理面での配慮
個人情報保護の方針
本試験は,あなたの担当医が本治療法のあなたへの適応を十分に検討して実施するものです。試験の実施については京都大学大学院医学研究科・医学部及び医学部附属病院医の倫理委員会で倫理的及び科学的な面から公正な目で審議され,承認を受け,病院長の許可を受けています。さらに,この研究は,人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(厚生労働省)を守って行います。
個人情報保護のため,各患者さんには登録時に番号が割り当てられ,連結可能匿名化が行われます。その後の臨床情報の照会には登録番号,イニシャル,生年月日,カルテ番号が用いられます。患者さんの氏名・住所などの個人情報が担当医師から研究事務局へ知らされることはなく,これらの情報が研究事務局のデータベースに登録されることはありません。
結果の公表について この研究によって成果が得られた場合は,国内外の学術集会・学術雑誌などで公表します。その際にも,ご提供者の個人情報が明らかになることはありません。
研究組織・共同研究機関 この研究の主たる研究機関は国立がん研究センター中央病院であり,当科は共同研究施設として参加します。企業や特定の営利団体からの資金提供や薬剤等の無償提供などは受けておりません。
研究組織と本研究の問い合わせ先 研究代表者:
福田 隆浩
国立がん研究センター中央病院 造血幹細胞移植科
〒104-0045 東京都中央区築地 5-1-1
電話番号: 03-3542-2511(代表)

当院研究責任医師:
近藤 忠一
京都大学医学部附属病院 血液・腫瘍内科 講師
電話番号: 075-751-3152

臨床研究相談窓口:
京都大学医学部附属病院 総務課 研究推進掛
電話番号: 075-751-4899
メールアドレス: trans@kuhp.kyoto-u.ac.jp
研究参加辞退のお申し出先 近藤 忠一
京都大学医学部附属病院 血液・腫瘍内科 講師
電話番号: 075-751-3152
研究者から一言 本研究は成人T細胞白血病に対する移植後シクロホスファミドを用いたハプロ移植の有効性,安全性を世界で初めて検討するものであり,本邦発の新たなエビデンスを提供することができます。